複合不況 combined recession 2007 10 21
バブル崩壊後の日本では、政府や日銀が、
いくら景気対策の政策を打ち出しても、
結局、景気は回復しなかったのです。
それが、後に「失われた10年」とも、
「失われた13年」とも呼ばれることになった、
日本経済がかつて経験したことがない、
長期的な不景気となったわけです。
最近、世界経済を見ていると、
かつての日本と同じコースを歩みそうな国があります。
そこで、参考になるか、わかりませんが、ある本を紹介します。
この本は、経済書であるにもかかわらず、当時、話題の書となり、
意外にもベストセラーとなったのです。
「複合不況 ポスト・バブルの処方箋を求めて」
宮崎義一著 中央公論新社
「80年代半ば以降、米国と日本で起きたバブルの発生と崩壊のメカニズムを、
実証的に分析し、今回の不況は金融の自由化の帰結として生じた、
金融部門の経営悪化にリードされて引き起こされた新しい不況であること、
問題の焦点が、有効需要より信用逼迫に大きく移動したことを明らかにする。
したがって従来のような有効需要拡大政策も、
なかなか効果を現わさない理由が解明され、
正確な診断による有効な処方箋の必要に応える労作である」
(中央公論新社)